■「深くおわび」と明記
 救済法の前文には「我々は、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびする」と明記しています。
 訴訟の原告団などから、被害者の名誉と尊厳を回復するに足る謝罪を強く求める要請があったことも踏まえ、おわびの主体を明確にするため、当初案にはなかった「それぞれの立場において」との文言を入れました。「それぞれの立場」は、一義的には、旧優生保護法を制定した国会や強制不妊の執行に当たった行政府のことを指していますが、地方自治体や医療界、福祉関係団体なども含まれると考えます。
 前文には被害者へのおわびに続いて「今後、これらの方々の名誉と尊厳が重んぜられるよう努力を尽くす」という記述もあります。「名誉」「尊厳」という言葉は法律でほとんど用いられない表現ですが、被害者の要請に少しでも応えるべきとの公明党の強い主張で明記されました。
 被害者に1人当たり320万円の一時金が支給されますが、この320万円という金額は、99年から不妊手術の被害者に補償を始めたスウェーデンの補償額「17万5000クローナ」に物価変動などを反映させた金額です。ドイツにも同様の例がありますが、補償額は40万円程度と低いものでした。
■一刻も早く実効性ある対策を行うことを重視
 高齢になっている被害者を一日も早く支援できるようにすることを特に重視して取り組みました。
 また、「強いられた同意」の下で手術が行われたケースも想定されることから、支援の対象はできるだけ幅広くすべきと主張し、強制手術だけでなく、本人が同意したとされるケースも対象に含めることができました。
 不妊手術の記録がない人についても、公明党の提案で本人の申し立て内容などから「明らかに不合理ではなく、確からしい」と確認できれば、支給対象に含めることができました。
 請求受け付けや相談支援を担う各自治体と厚生労働省が連携し、速やかな支給に努めるよう求めていきます。被害者本人が給付を望まないケースも想定されるため、本人への通知は行われませんが、情報を得にくい人もいることから、広報や周知、相談体制の整備に万全を期すよう訴えていきます。
■優生思想の根絶を
 今回の強制不妊は、障がい者差別につながる優生思想に基づくものであり、このような事態を二度と起こしてはいけません。
 訴訟の原告団などから、今なお、優生思想に基づく不適切な問題が起きているとの深刻な指摘があります。法律には互いの人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会の実現へ、強制不妊手術などに関する「調査その他の措置を講ずる」と明記されました。この作業のあり方は極めて重要であり、公明党内でも引き続き議論していきます。